Pms

PMS(生理前症候群)とは

生理前の不快な症状は「PMS」かも

生理前の不快な症状はPMSの可能性(症状例)

生理前になると「イライラする」「なんとなく体調が優れない」など、心や身体の不調を感じる方は、多いのではないでしょうか。これらは「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる症状の可能性があります。最近ではPMSの認知度も高まり、名前を知っている女性も多いかもしれません。しかし、具体的にどのような症状があるのか、くわしく知らない方がほとんどではないでしょうか。PMSは女性であれば誰でも発症する可能性があります。そのためまずは、PMSについて理解し、ご自身の身体の状態を知ることが大切です。

ここでは、PMSの症状や治療方法について、くわしくご説明します。ご自身の症状と照らし合わせ、ぜひ参考になさってください。

ページの監修医師

東京都豊島区の池袋駅前婦人科クリニック加村和雄院長

池袋駅前婦人科クリニック 
加村和雄(かむらかずお)院長

1998年埼玉医科大学医学部卒業。病院やクリニックにて、日本産科婦人科学会専門医として研鑽を重ね、池袋駅前婦人科クリニックを開院。

PMS(月経前症候群)とは?

PMSは「月経前症候群(Premenstrual Syndrome)」のことを指します。その症状について、日本産婦人科学会では下記のように述べています。

月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの 日本産科婦人科学会|月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)

PMSは、女性ホルモンの変動が大きく関わっていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。日本産婦人科学会でも、女性ホルモンの低下だけがPMSの原因ではない可能性を指摘しています。

排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されますが、その後半に両ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響も受けるため、PMSは女性ホルモンの低下以外にも多くの要因から起こるといわれています。 日本産科婦人科学会|月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)

まずは生理前の症状をチェック

PMSの代表的な症状は以下の通りです。

  • 無性にイライラしてしまう
  • 情緒不安定になる
  • 下腹部痛がある
  • 頭痛やめまいがある
  • 胸の痛みや張りがある
  • 筋肉痛や関節痛がある
  • むくみやすい
  • □体重が増える
  • □お腹が空いて食べ過ぎてしまう
  • 疲れやすくて気力がなくなる
  • 集中力がなくなる
  • □自分の感情をコントロールできない
  • 肌荒れやニキビが気になる

上記項目で当てはまるものが多いほど、PMSである可能性が高くなります。生理前にどんな症状が現れるのか、ご自身で確認してみましょう。また、PMSに当てはまる方は、つらい症状を我慢せずに、池袋駅前婦人科クリニックを受診してください。PMSの症状は、薬や漢方、注射などによって、軽減することができます。

生理前に起こりやすい症状について

生理前後のPMSと体調の変化グラフ

一口にPMSといっても、症状はさまざまです。そこで生理前に起こりやすい、代表的な症状とその原因について、くわしく見ていきましょう。

37度以上の微熱

生理前に37度以上の微熱が起こるのは、黄体ホルモンの「プロゲステロン」が原因です。プロゲステロンは、体温を上げる働きを持つホルモンで、体温を0.3〜0.6度ほど上昇させます。「黄体期(高温期)」と呼ばれる生理前の期間は、プロゲステロンが多く分泌されることから、低温期よりも基礎体温が上昇し、微熱があると感じやすくなります。

眠気やだるさ

生理前に眠たくなったり、身体がだるくなったりするのは、深部体温の変動が関係しています。通常、深部体温は日中高くなり、夜に低くなるのですが、生理前の黄体期では昼の深部体温が上がりにくく、夜は下がりにくくなるのです。睡眠の質の高めるには、睡眠時の深部体温が低いことが挙げられますが、黄体期では睡眠時の体温が高いため、ぐっすりと眠りにつくことが難しくなります。さらに日中は深部体温が低いため、眠気やだるさを感じやすくなるのです。

お腹が痛い

生理中だけでなく、生理前にも腹痛を起こすことがあります。これは、子宮の収縮を起こす「プロスタグランジン」と呼ばれる物質が原因といえるでしょう。生理中に経血を体外に排出するには、子宮を収縮させるプロスタグランジンの働きが欠かせません。そのため生理前は、プロスタグランジンが、子宮内膜で多く作られます。しかしプロスタグランジンは、痛みや炎症を起こす作用も併せ持っているため、腹痛や腰痛が起きやすくなってしまうのです。

頭が痛い

生理前の頭痛は、卵胞ホルモン「エストロゲン」の急減で起こりやすくなるといわれています。エストロゲンは生理周期に合わせて分泌量が変動し、生理前の黄体期には、エストロゲンの分泌量が減少します。すると、「セロトニン」という脳内物質も減ってしまうのです。セロトニンは、血管を収縮する作用があるため、分泌量が減ると、脳内の血管を拡張させてしまい、頭痛が起こりやすくなります。また、生理前の頭痛は、長期間症状が続き、痛みが強いといった特徴があります。

吐き気がする

生理前に、吐き気をもよおすことがあります。吐き気は、腹痛や頭痛と同様にプロスタグランジンの分泌量が過剰になることで生じます。プロスタグランジンには、子宮の収縮以外にも、胃や腸を収縮させる作用があるため、胃や腸が締め付けられ、吐き気が起こってしまうのです。

お腹が空く

生理前は、どれだけ食べても空腹感が続くことがあります。生理前にお腹が空くのも、プロゲステロンが原因です。プロゲステロンが大量に分泌されると、血糖を下げるホルモン「インスリン」が作用しにくくなり、血糖値が上昇しやすくなります。血糖値が上昇しやすいと、すい臓からインスリンが大量に分泌され、血糖値が急激に低下するのです。血糖値が下がることで、空腹を感じやすくなるため、食欲の増進につながります。これが、生理前にお腹が空く理由です。

太りやすい・むくみやすい

生理前に太りやすいのも、プロゲステロンが原因といえます。プロゲステロンが体重増加に関わるのは、下記の3つの作用によるものです。

水分を貯める働き プロゲステロンには、皮下細胞に水分を貯留させる作用があります。これが、むくみにつながります。
食欲増進作用 プロゲステロンには、食欲増進作用があります。食べる量が増えるため、体重が増えやすくなります。
胃や腸の働きを弱める プロゲステロンは、胃や腸の働きを弱めるため、便秘がちになります。生理前には、プロゲステロンの分泌によって、体重が増加しやすい要因が重なります。生理前に1〜2キロ体重が増えるのは、決して珍しいことではないため、それほど気にする必要はないでしょう。

おりものの色やにおいがいつもと違う

生理前は、おりものの色または性状が、いつもと異なる場合があります。

  • 性状:白く濁り、粘度が高い
  • ニオイ:強い
  • 色:白・黃・茶・ピンクなど

おりものは、黄体期に少なくなりますが、生理前に再び増加します。おりものがショーツにつくと黄色く見えたり、経血が混ざってピンク色や茶色っぽく見えたりとすることがあります。

気分が落ち込む・イライラする

生理前に、イライラする、気分が落ち込むといった精神的症状が現れるのは、ホルモンバランスの乱れが影響しているとされています。生理中に女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンが増減することによって、心身にさまざまな症状が現れやすくなるのです。また、厚生労働省のホームページには、脳内物質であるセロトニンの分泌量の減少が、生理前の情緒不安定な症状に影響を及ぼす可能性を述べています。

脳内の神経伝達物質のひとつで、(中略)他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こすといわれています。

参考:厚生労働省|e-ヘルスネット セロトニン(せろとにん)

胸が張って痛い

生理前に胸が張るのは、女性ホルモンのプロゲステロンが原因です。プロゲステロンには、乳房の血流を増やす働きがあり、乳腺組織を活性化させます。そのため、胸が張ったり、痛かったりするのです。生理は、胸の張りを感じた数日後に起こることが多いため、胸の張りは生理前のサインともいえるでしょう。

生理前の不快な症状と妊娠初期症状の違いについて

生理前の症状は、妊娠初期の症状ととてもよく似ています。そのため、生理前の症状が起こった場合「もしかして妊娠?」と不安になる方も少なくありません。PMSと妊娠とを勘違いしないためにも、生理前と妊娠初期に共通する症状について見ていきましょう。

共通する症状 腹痛・頭痛・胸のハリ・便秘・だるさ・眠気・イライラ・不安感など
生理前後の基礎体温の推移と女性ホルモン

これらの症状は、生理前にも、妊娠初期にも起こるものです。では、生理前に起こる症状と妊娠初期の症状は、どのように見分ければよいのでしょうか。

もっとも簡単に見分ける方法は、体温です。妊娠すると生理予定日になっても、体温は下がりません。しかし、妊娠していなければ、生理予定日に体温は低下します。基礎体温をつけていれば、生理前の症状と、妊娠初期の症状を見極めることができるのです。また妊娠検査薬を使用して確認する方法もあります。

PMSは治療できるの?

「つらいPMSの症状は、治療できるの?」

このように、PMSでお悩みの方は治療ができるかどうか、不安になってしまう方が多いでしょう。ここからは、PMSの治療方法について、くわしくご説明します。

薬を使った治療方法

PMSは、薬で治療をすることができます。治療方法には3つのパターンがあるため、ひとつずつ確認しましょう。

排卵抑制療法

「排卵抑制療法」とは、低用量ピルを用いた治療方法です。PMSは排卵によって、女性ホルモンの分泌量が変動することで起こります。低用量ピルを服用すれば一時的に排卵を止め、女性ホルモンの変動をなくすことが可能です。低用量ピルは服用をやめると排卵が再び起こるため、その後の妊娠や出産には影響を与えません。そのため、PMSを改善したいけれど、ゆくゆくは妊娠を望んでいるという方にも、安心して服用いただけます。

漢方療法

「漢方療法」は、患者様の体質やPMSの症状に合わせた漢方薬を服用する治療方法です。漢方療法は、複数の症状を同時に改善でき、心と身体のバランスを整えるため、PMS治療によく用いられています。なお、日本産科婦人科学会によると、PMS治療によく選択される漢方薬は、下記の6種類です。

  • 当帰芍薬散/とうきしゃくやくさん
  • 桂枝茯苓丸/けいしぶくりょうがん
  • 加味逍遥散/かみしょうようさん
  • 桃核承気湯/とうかくじょうきとう
  • 女神散/にょしんさん
  • 抑肝散/よくかんさん

参考:日本産科婦人科学会|月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)

対症療法

「対症療法」は、PMSの症状が起こっているときに、薬剤を用いて症状を和らげる治療です。基本的には、腹痛・頭痛などの痛みに対しては「鎮痛剤」、気分が落ち込む・イライラするなどの精神的な症状には「精神安定剤」や「自律神経調整剤」を使用します。つらい症状の緩和には、対症療法が効果的です。しかし、対症療法でも不十分な場合には、排卵抑制療法や漢方療法を検討する必要があります。

薬を使わない治療方法

PMSを、薬を使わないで治療する場合、ご自身にあったセルフケアを探すことが重要です。日本産科婦人科学会でも、セルフケアによるPMS治療を推奨しています。セルフケアを行うためにもまずは、症状を記録し、ご自身の身体に起こるPMSの症状について理解しましょう。生理前に起こりやすい症状を知ることで、対策が立てやすくなります。

また、リラックスできる時間や空間を作ったり、気分転換したりするのもひとつの手段です。ビタミンB6・ビタミンE・カルシウム・マグネシウムを摂取することも、PMS症状の緩和に効果的とされています。カフェインやアルコール類の摂取は控え、喫煙もできるだけ避けましょう。日常生活を少し気をつけるだけで、PMSの症状を緩和することが期待できます。

PMSの症状が重い場合は、仕事のペースを抑えてみるのもよいでしょう。心と身体のストレスを軽減することで、PMS症状の緩和につながります。

PMSレス注射による治療

「PMSレス注射」は、症状の緩和に効果的な栄養素や、アミノ酸などの成分が配合された注射です。PMSレス注射で、生理前の不快な症状を和らげる効果が期待できます。生理前のイライラを抑えたい方、PMSによる腹痛や頭痛を軽減したい方に適した治療法といえるでしょう。池袋駅前婦人科クリニックでは、PMSにお悩みの方のために、PMSレス注射による治療を行っております。PMSの症状を緩和したい方は、お気軽に当院までご相談ください。

PMSとは違う?PMDD(月経前不快気分障害)とは

PMSとは違う?PMDD(月経前不快気分障害)とは

近年「PMS」という言葉が広く認知されるようになった一方、「PMDD」の認知・理解はまだまだ進んでいません。「月経前不快気分障害」と呼ばれるPMDDは、PMSの中でも、イライラや気分の落ち込みなど、精神的症状が重い状態のことを指します。PMDDは、精神疾患の診断基準「DSM-5」の中で、うつ病と同じカテゴリーに属する重い症状です。治療薬として、SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)といった、抗うつ薬を使用することもあります。

そのため「生理前だけの不快な症状」と軽く捉えるのではなく、しっかりと治療をしていく必要があります。PMDDは、日常生活にも大きな影響を与える症状ですが、その患者数は、PMSに比べて少ない傾向にあります。「わたしもPMDDかな?」「こんな症状で病院に行ってもいいのかな」と不安になるかもしれませんが、お悩みの方は、どうぞお気軽に池袋駅前婦人科クリニックまでご相談ください。

生理前のつらい症状は我慢しないで!クリニックで相談しましょう

「もしかしたら、PMSかもしれない」

ご自身がPMSかもしれないと思われた方は、お気軽に池袋駅前婦人科クリニックまでご相談ください。生理前のつらい症状は、数日間しか続かないため、我慢しようと考える方がほとんどかもしれません。しかし、生理前の10日間PMSの症状が続くと、1年で120日もの間、PMSの症状に悩んでいることになります。「毎月少しの間だけ我慢しよう」と思っていても、実は1年の1/3の期間を、つらい症状のまま過ごしていることになるのです。QOL(生活の質)を向上させるために、この機会にPMSとしっかりと向き合い、痛みや辛さなどを緩和できるよう、治療に取り組んでみてはいかがでしょうか。

当院は、女性の心と身体に寄り添った医療をご提供いたします。どうぞお気軽に、ご相談ください。

生理前症状に関するよくあるご質問

PMSは治療するべきですか?
A.はい。PMSの症状は、日常生活にも支障が出るため、治療を受けたほうがよいでしょう。PMSを治療することで、患者様のQOL(生活の質)を高めることが期待できます。PMSの治療は、薬物療法やご自身でできるセルフケアなどがあり、少しの工夫で和らげることが可能です。また、医師にご相談いただき、ご自身にあった治療を実践していくのもよいでしょう。また、池袋駅前婦人科クリニックは、PMSレス注射をご用意しているため、PMS症状を緩和したい方は、お気軽にご来院ください。
PMSはサプリメントの服用で治るのですか?
A.いいえ。PMSは、サプリメントの服用だけで治療することはできません。しかし、PMS症状に効果的とされるサプリメントもあるため、他の治療と併用して摂取するとよいでしょう。ご自身にあったサプリメントの種類や、PMS治療については、お気軽に池袋駅前婦人科クリニックまでご相談ください。
PMSの症状と妊娠初期の症状を間違えることはありますか?
A.生理前の症状と妊娠初期症状は似ているため、間違える方もいらっしゃいます。PMSだと思っていたら妊娠していた、ということも起こり得るのです。生理前の症状か妊娠かわからない場合は、基礎体温の確認や妊娠検査薬を使用してみましょう。生理予定日より1週間経てば、妊娠検査薬の使用は可能です。それでも不安な方は、ためらわず池袋駅前婦人科クリニックまでご相談ください。

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  • 2021/07/01