Pregnant stomach ache

妊娠初期の腹痛と下痢について

妊娠初期の腹痛と下痢…生理痛との違いは?流産?疑問を解決します

妊娠初期に起こりがちな腹痛と下痢は、予備知識がないとどういった状況なのかわからず不安になりがち。まずは知識を!

妊娠初期に起こりがちな腹痛と下痢。
「妊娠しているかも……」と思うと、薬を飲むのもためらわれるし、そのままにしておくのもつらいものです。

妊娠がわかっているケースでは、腹痛があると「流産してしまったらどうしよう」と心配になったり、「なにかの異常かも?」と不安になったりするかもしれません。

妊娠を確認していないケースでは、妊娠に伴う腹痛なのか、生理痛なのか、判断がつきかねます。

ここでは、妊娠初期の腹痛と下痢について、それぞれの起こる原因と生理痛との違いや危険な症状、対処方法などについてくわしく解説します。

ページの監修医師

東京都豊島区の池袋駅前婦人科クリニック加村和雄院長

池袋駅前婦人科クリニック 
加村和雄(かむらかずお)院長

1998年埼玉医科大学医学部卒業。病院やクリニックにて、日本産科婦人科学会専門医として研鑽を重ね、池袋駅前婦人科クリニックを開院。

妊娠初期の腹痛が起こる原因3つのこと

妊娠初期は、一般的に腹痛が起こりやすい時期です。では、なぜ妊娠初期はお腹が痛くなりやすいのでしょうか?原因を3つ見ていきましょう。

「お腹の張りもある…」子宮が大きくなるから

受精卵が着床し妊娠すると当然のことながら、子宮が大きくなっていきます。ニワトリの卵大ほどだった子宮は、着床後、数週でひと回り以上大きくなるのです。

急激に大きくなるので、筋肉が引っ張られるような痛みや違和感を覚えるのも、無理はありません。また、子宮周囲にある下腹部の臓器が圧迫されるので、お腹の張りや痛みを感じやすくなります

「腹痛があるのは便秘かも?」ホルモンバランスが影響するから

妊娠の変化によりホルモンバランスが変わり、便秘による腹痛を起こしがち

妊娠すると大きく変化するのがホルモンのバランスです。妊娠初期には、プロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されるのですが、このプロゲステロンが便秘に大きく影響します。

プロゲステロンは、身体の中に水分を溜め込む働きがあり、これによって便中の水分量が減少し、便秘になりやすくなるのです。さらに、便が硬くなるだけでなく、腸のぜんどう運動を弱める作用もあるため、より便秘傾向に陥ります。

便秘になることで、お腹の張りを感じやすくなり、下腹部の違和感や痛みを覚えやすくなるのです。

「お腹が左だけチクチク痛い」靭帯が引っ張られるから

子宮は円靭帯(えんじんたい)という靭帯で、左右から支えられています。子宮そのものが大きくなる痛みのほかに、子宮を支えるこの円靭帯が引っ張られて痛みを感じるのです。

痛みを感じるのは、主に足の付け根や下腹部で、「片側だけ痛い」「チクチクする痛み」「内側から引っ張られる感じ」などと表現されることが多くなっています。痛みの程度としては、あまり強くないのも特徴といえるでしょう。

生理痛だと思ったら…妊娠初期の腹痛だった!

妊娠初期に起こる症状と生理前の症状は、とてもよく似ています

妊娠初期症状の現れ方や時期には個人差がありますが、早い方では生理予定日の頃には、なんらかの体調の変化が起こります。この体調の変化として現れるさまざまな症状は、ホルモンバランスが変わることが主な原因です。

妊娠初期の腹痛と生理痛の違い、見分け方

女性の体温変化のグラフ。妊娠していない場合は高温期が来ても通常の体温に戻る
女性の体温変化のグラフ。妊娠している場合は高温期が続く

生理前にも腹痛を感じることがあります。これは、排卵に伴う腹痛の場合もありますし、プロゲステロンの分泌が増えることによる便秘が原因の場合もあります。プロゲステロンによる便秘が引き起こす腹痛の場合、妊娠初期症状と生理前症状では、ほとんど区別がつきません。

基礎体温

妊娠初期症状と生理に伴なう症状を区別する手がかりは、体温です。妊娠していれば、体温は高温期の高いままをキープしますが、妊娠していない場合は、生理の開始とともに通常の体温に戻ります

ここでカギとなるのが基礎体温です。日頃から基礎体温を測っていれば、確実ではないものの、妊娠かそうでないかを判断する材料になります。普段から基礎体温を測っておくことがおすすめです。

妊娠検査薬

生理予定日を1週間過ぎても生理がこないときは、妊娠検査薬でチェックするのも一つの手段です。多くの妊娠検査薬は、生理予定日を1週間過ぎていれば、ほぼ正確な結果が得られます

「妊娠初期のような症状がある」「心当たりのある性行為をした」などの場合は、妊娠検査薬の使用がおすすめです。また、しっかり避妊をしていたという方でも、妊娠してしまうケースがあります。避妊方法も100%確実というわけではないのです。

予期せぬ妊娠のことも…

予期せぬ妊娠をした場合、どんな決断をするにしても早めに婦人科や産婦人科へ

妊娠検査薬でチェックしたら妊娠が判明した、という方もいるかもしれません。お子さんを望んでいる方ならば、問題はなく、むしろ喜びを感じるでしょう。

しかし、「今は妊娠を望んでいない」という方にとって、妊娠検査薬の陽性反応は一大事です。産むか中絶するか、悩まれることでしょう。出産を希望される方も中絶を希望される方も、どちらにするかまだ迷っている方も、なるべく早く婦人科や産婦人科を受診しましょう

中絶手術をしたいと思っても、手術可能な期間が過ぎていたという事態も想定できます。中絶手術は中絶可能な期間が法律によって決められているのです。

  • 初期妊娠中絶手術が可能な期間:妊娠12週未満(妊娠11週6日まで)
  • 中期妊娠中絶手術が可能な期間:妊娠22週未満(妊娠21週6日まで)

池袋駅前婦人科クリニックでも、妊娠週数を判断する超音波検査を行っています。妊娠検査薬で陽性反応が出た方は、お早めに当院にご相談ください。

出産を希望される方には分娩可能な医療機関に情報をご提供することができますし、中絶手術をご希望される方も、当院で中絶手術が可能です。なお、当院は妊娠初期の方の妊娠中絶のみ承っておりますので、あらかじめ、ご了承ください。

流産の可能性も!?妊娠初期のこんな腹痛は要注意

妊娠初期の激痛と出血は、早めに医療機関に連絡すべき

妊娠初期は腹痛が起こりやすいというものの、放置しておけない、我慢してはいけない腹痛があります。 では、それらの腹痛はどのような症状を伴うのでしょうか?

「お腹が痛い!」妊娠初期の激痛

妊娠初期に起こる腹痛でも、以下のようなケースは、早めに医療機関を受診しましょう。

  • 我慢できないような激しい痛みがあるとき
  • 痛みがどんどん増していく・強くなっていくとき
  • 10分以上様子をみても痛みが変わらない・ひどくなるとき

急激に起こる痛みや、持続する激しい痛みは、流産の可能性も否定できません。

妊娠初期の腹痛で出血がある

妊娠中に出血があると真っ先に思い浮かべるのが、流産の心配ではないでしょうか?
腹痛があって出血を伴う場合は、切迫流産の可能性もありますが、ほかに異所性妊娠というケースも考えられます。

異所性妊娠は、子宮外妊娠という呼び方で知られており、受精卵が子宮内膜以外に着床している状態です。異所性妊娠を起こしていても、正常な妊娠と同じ妊娠反応が出るので、激しい腹痛を伴う出血があり受診して、初めて異所性妊娠に気づく方も多くなっています。

妊娠初期に出血を伴う強い腹痛があったら、医療機関に連絡し、なるべく早く受診するようにしてください。

妊娠初期に下痢が続く原因とは?

妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えて、便秘になりやすくなることを解説しましたが、その反対に下痢になる方も多くいます。これは、ホルモンバランスが急激に変化し、自律神経が乱れることが原因です。便秘になりやすかったり、下痢になりやすかったり、妊娠初期は腹痛が起こりやすいといえるでしょう。

さらに、ホルモンバランスや自律神経の乱れは、体温調節にも影響します。そのため、身体の冷えが原因ということも考えられるのです。

妊娠初期は悪阻(おそ/つわり)がある時期でもあるため、食べやすいアイスや冷たい食べ物・飲み物を好んで摂取する傾向があります。しかし、それが原因で、身体が冷えたり、栄養が偏ったりしてしまうので注意が必要です。

「受診すべき?」妊娠初期の下痢に伴う危険な症状4選

ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなら、「下痢があっても心配ないのかな?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、ここで挙げる症状を伴う下痢があるときは、早めに医師に相談するようにしてください。

腹痛や発熱が続くとき

妊娠初期の下痢に伴う腹痛で、発熱もしている場合は医療機関へ!

下痢に伴い、腹痛や発熱が続くときは、なるべく早く受診しましょう。細菌性感染症やウイルス性感染症を起こしている可能性があります。

細菌やウイルスが原因の場合、周囲の人にうつしてしまう危険性もあり要注意です。

吐き気を伴い嘔吐するとき

下痢に吐き気や嘔吐があるときも、速やかに医療機関に相談しましょう。“妊娠悪阻(おそ)”という重いつわりの可能性があるからです。下痢や嘔吐がひどいと、脱水症状を起こしたり、意識障害を起こしたりする可能性があります。

冷や汗が出るとき

冷や汗は貧血のサインです。妊娠初期は特に貧血を起こしやすい状態にあります。冷や汗が長く続くようなら、受診しましょう。

出血があるとき

下痢に伴って、便に血が混ざるときも要注意。胃や腸になんらかの異常が起こっている可能性があります。

肛門付近の粘膜や皮膚からの出血であれば、そこまで心配する必要はありません。しかし、素人が判断するのは危険です。ためらわず、医療機関を受診してください。

妊娠初期の腹痛や下痢の予防法と対処法

妊娠初期の腹痛や下痢が起こりにくくする予防法や、起こったときに和らげる対処法はあるのでしょうか?ここからは、日常生活の中でできる予防法と対処法について、いくつかご紹介します。

生ものを避ける

妊娠中は免疫が下がっているので、感染症に注意が必要です。特にリステリア食中毒は、厚生労働省も注意喚起をしています。

  • ナチュラルチーズ
  • 生ハム
  • 肉や魚のパテ
  • スモークサーモン

など。

これらの乳製品や食肉加工品は要注意。生ものを避けるとともに、上記の食品を摂取するときは、十分に加熱するなどの工夫をして、食中毒を予防しましょう。

身体を冷さないようにする

これでバッチリ!身体を冷やす野菜と温める野菜一覧。食習慣で妊娠中の冷え対策を

身体を冷やすと、お腹の張りや便秘、むくみ、倦怠感などの原因になります。妊娠初期はこれらに加えて、つわりを悪化させる可能性もあるのです。
普段は冷え性でなくても、妊娠したら冷え性になるなど、妊娠中は身体が冷えやすくなります

具体的な冷え予防策として、身体を冷やす食材を食べすぎないようにしたり、冷たい飲み物を飲みすぎないようにしたり、身体を温める食材を積極的に摂るようにします。また、適度な運動をして血行を良くすることも大切です。

身体を冷やす食材 身体を温める食材
レタス・キャベツ・キュウリ・トマト・ナス・ゴーヤ・セロリ・モヤシ・オクラ・大根・ほうれん草・小松菜 など 生姜・ニンジン・ネギ・タマネギ・ゴボウ・レンコン・カボチャ・ニラ・ニンニク・山芋・フキ・こんにゃく など
身体を冷やす食材 レタス・キャベツ・キュウリ・トマト・ナス・ゴーヤ・セロリ・モヤシ・オクラ・大根・ほうれん草・小松菜 など
身体を温める食材 生姜・ニンジン・ネギ・タマネギ・ゴボウ・レンコン・カボチャ・ニラ・ニンニク・山芋・フキ・こんにゃく など

刺激が強いもの・油っこいもの・消化の悪いものを控える

妊娠すると嗜好が変わる方が多くなっています。突然、刺激が強いものや油っこいものを食べたくなるときがあるでしょう。

しかし、刺激が強いスパイシーな食べ物や油っこい食べ物は消化が悪く、腹痛や下痢の原因になりがちです。

腹痛・下痢予防には暴飲暴食を避けるだけでなく、できるだけ消化の良いものを食べるようにしましょう。

薬を飲むときは必ず医師の指示を!

妊娠中は、薬の内服にも気を使っている方が多いでしょう。妊娠初期は特に胎児の成長に大きな影響を及ぼす危険性もあります。そのため、腹痛や下痢の場合も薬を内服したいときは、産科の担当医に処方してもらうと安心です。

もし、ほかの医療機関を受診するときも、必ず妊娠していることを伝えるようにしてください

安静にして無理はしない

痛みがあったり、身体がつらかったりするときは無理をせず、なるべく横になって休みましょう。なかなか横になれないときは、座ってジッとしているだけでも違います。

決して無理はせず、安静にしてください。安静にしているときは、痛みが強くならないか、ほかの症状がないかなど、ご自身の様子を観察することも大切です。

水分補給をしっかり行う

下痢をしているときは、脱水症状を起こす可能性があります。そのため、水分を十分に補給してあげることを忘れてはいけません。そうかと言って、冷たい飲み物や刺激的な飲み物はNG。ぬるま湯=人肌程度の白湯を飲むのが良いでしょう。

また、身体への吸収が非常に早い“経口補水液”も選択肢の一つです。

不安なときは受診する

「こんな症状で受診したら大げさかな?」「病院に行くべきか迷ってしまう」

このように、病院受診に対して遠慮や迷いがある方も多いです。ですが、なにか症状があってつらい・不安があるときは、迷わず受診しましょう。不安な気持ちやつらいのを我慢していると、ストレスとなって身体に悪影響を及ぼします。

「腹痛や下痢が続く…」我慢しないで!

「妊娠初期で腹痛や下痢が続く……、どうしよう」

さらに、ホルモンバランスや自律神経の乱れは、体温調節にも影響します。そのため、身体の冷えが原因ということも考えられるのです。

そうでなくとも不安な妊娠初期に、なんらかの症状があると心配になります。普段と違ったり、つらい症状があったりするときは、我慢しないで池袋駅前婦人科クリニックにご相談ください。医師を始めスタッフ一同、患者様のQOLの向上/生活の質の向上を目指し、全力でサポートいたします。心配事や不安がある場合も、お気軽にお問い合わせください。

妊娠初期の腹痛や下痢に関するよくあるご質問

妊娠初期の腹痛はいつまで続きますか?
A.個人差があり、一概に言うことはできません。妊娠1ヵ月で治まる方もいれば、体調が安定する時期まで長引く方もいます。しかし、妊娠4ヵ月ころには、多くの妊婦さんの腹痛がおさまるとされています。
妊娠初期の腹痛か生理痛か見分ける方法はありますか?
A.妊娠で起こる腹痛か生理痛か、素人が見分けるのは難しいでしょう。基礎体温を測っていれば、体温のグラフで検討はつきますが確証はできません。患者様がご自身で見分けられる方法は、妊娠検査薬を使用してみることです。生理予定日を1週間過ぎていれば、妊娠検査薬でほぼ確実に正確な結果が得られます。もし、妊娠しているときは、妊娠週数を確認するためにも、池袋駅前婦人科クリニックにご来院ください。妊娠していなかった場合でも、生理不順の可能性があるため、お気軽に当院までご相談ください。
妊娠初期なのですが、腹痛も腰痛もあります。受診が必要ですか?
A.妊娠初期に腹痛も腰痛もあると心配になりますよね。痛みの程度にもよりますが、妊娠初期は腰が痛くなる時期でもあるのです。多くの場合、心配する必要はありません。妊娠初期の腰痛は、靭帯の緩みが原因であることがほとんどなので、腹帯や骨盤ベルトをするとよいでしょう。ただし、腹帯・骨盤ベルト装着にあたっては、医師に確認するようにしてください。
妊娠初期で下痢があるのですが、つわりはなしです。異常でしょうか?
A.いいえ。異常ではないので、ご安心ください。妊娠初期は下痢をしやすい時期です。妊娠中期になると治まる方もたくさんいます。悪阻(おそ/つわり)の症状は、個人差があり、どれが正常でなにが異常と断定できません。
妊娠初期に下痢で水のような便が出ます。病院に行くべきですか?
A.はい。あまりに水様便がひどい場合や、症状が続く場合は医療機関を受診すべきです。また、下痢をしていると水分が大量に奪われてしまうので、十分な水分補給も必須。脱水症状を起こさないようにしましょう。

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  • 2021/07/01